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Webデスクトップの現在と今後への期待

Webデスクトップの現在と今後への期待
急速な進歩を遂げるWebデスクトップ
現在、インターネット上に公開されているWebデスクトップのほとんどは、ユーザ登録をするだけで無料で利用できる。各社はそれぞれに今後のビジネス戦略を練っており、中でも米国のStartForceや、YouOSを運営するWebShakaが野心的にサービスを展開中だ。Webデスクトップでは、HTTP・HTML・JavaScriptなどの標準化されたWeb技術がベースになっているので、WindowsやMac、LinuxといったOSの違いを意識する必要がない。その特性から、複数のPC環境にアプリケーションをインストールする手間を省き、「持ち運びができるデスクトップ」を実現していることが大きな魅力と言える。

しかし、アプリケーションを充実させるためにAPI(※Webサイトなどの開発を効率的に行うための技術)を公開し、JavaScriptがわかる人ならば誰でも開発できるようにしたり、その成果物を他の利用者にも使ってもらえるような機能を付けているのはStartForce やYouOSなど一部のサービスだけである。これは、APIが標準化されていないため、同じようなWebデスクトップサービスであっても、事業者によって異なるAPIでの組み込みが必要になるからだ。そこで、Webデスクトップの提供会社が集まった「WebOSAPI.org」という団体においてAPIの標準化が進められている。ただ、多くの事業者が参加しているせいか、明確な方針は未だに出ていない。

また、こうした流れの他に、国内ではXML(※文書やデータの意味や構造を記述するための「タグ」と呼ばれる特定の文字列で、地の文に構造を埋め込んでいく言語)技術の権威的な団体である「XMLコンソーシアム」が、XML技術のビジネスにおける実用化を目指して、セミナーや情報発信、標準化推進、各業界団体との連携などを行っている。特にWebサービス実証部会では、WebデスクトップのAPIを活用したアプリケーションの研究や試作など、新しいWebサービス技術の実装研究が進められているようだ。
ビジネスシーンでどう使う?
Webデスクトップには、まだ「定番」と呼べるビジネスモデルが存在しない。現在は黎明期〜流行期にあたり、これから課題が出てきて改良を重ね、安定したサービスへとつなげていく段階だ。例えば、企業ユーザのソフトウェア管理とコスト削減に対する期待から、企業内ポータルやオフィスツールの代替として採用するなど、「こんな使い方はどうだろう?」というものが徐々に現れ始めている。

一方で、面白そうだけど導入はもう少し検討したい…と尻込みしている人も少なくない。彼らはインターネット上にあるドキュメント等のセキュリティについて不安を感じているようだ。確かに、情報漏えいを防ぐために、情報系システムはもとよりメールや表計算といったオフィスソフトのセキュリティ強化も望まれている時代に、Webデスクトップは無防備に見えるかもしれない。だが、サービス提供側の各事業者でもさまざまな対策を立てており、サービス提供の形態に見合うセキュリティレベルが確保されているのが通例である。

例えば、一般利用者向けのサービス提供形態というものがある。これはインターネット上で展開される機能を無料で使えるが、セキュリティや可用性などを考慮すると、企業用途としてはやや不安がある。しかし、パッケージでの提供形態なら、製品を購入した利用者や企業が、自らインストール・環境設定・運用管理などを行う。そのため、自社専用ネットワークのように閉じた環境でシステムを構築することもでき、高いセキュリティを確保することが可能だ。その他にも、サービス提供側がハイレベルなセキュリティや可用性を確保し有料で提供するASPサービスの形態などがある。

このようなWebデスクトップの提供形態は、サービス提供先のビジネスモデルと密接に関係しているため、機能的な特徴やターゲットとするユーザの選定などと合わせて、各事業者の重視しているビジネス戦略を考慮することも欠かせない。急速に種類の増えているWebデスクトップのどれを使ってどんなビジネスモデルを作り上げるか。利用者と事業者がアイデアを出し合っていくことが、Webデスクトップの発展の大きなカギになるのかもしれない。


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