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出版エージェント【高まるライティングの価値】

出版エージェント【高まるライティングの価値】
言葉ビジネスが流行るわけ
1981年、狙撃されたレーガン大統領が病院に運び込まれたときの第一声は「ドクター、君は共和党員だろうね?」。暗殺未遂で重症を負ったのに余裕でジョークを飛ばしたというエピソードを、あなたはご存じだろうか。また、サンフランシスコの公立図書館には 「ジョーク」 のコーナーが設けてあり、そこには世界でも例を見ない1万7千冊もの関連本が所蔵されている。
―――このように、米国では聴衆の心をつかむためにジョークを言う文化が根付き、人は話を聞いてもらおうとしてとにかく工夫を凝らす。そうした土壌があるため、来年の大統領選と並んで最近はますます「言葉ビジネス」が熱い。

その米国で生まれたブログが日本国内で流行している。ブロガーは1千数百万人を超え、閲覧者は約4倍。しかし、特に大企業のオフィシャルブログに軽妙なジョークが登場する機会はほとんどなく、管理者が匿名であっても更新を自粛している節がある。個人利用を除けば未上場のIT系ベンチャー企業程度しか頻繁に情報を書き込まないのは、どうやら「失言→炎上→損失」の流れを警戒してのことらしい。欧米では「ビジネスブログのコンサルティング」の価値が高まり、マーケティングの一翼を担うものとして企業側が「社員ブロガー」を認定しているというのに、もっとも有効な販促ツールを錆び付かせておくなんてもったいない話である。
日の目を見る、元ゴーストライター!
話は変わるが、芸能人や有名経営者が出版している本の多くはプロのライターが執筆していると、皆さんもうすうす感づいているだろうが、日本では、彼ら「ゴーストライター」の地位は軒並み低い。売れようが売れまいが、1冊数十万円程度の「原稿料」が相場と聞く。比べて「出版支援サービス」が発展している欧米では、大統領にジョーク専門のライターが付いていることが公表され、そのおかげで「出版エージェント」と呼ばれる職業も注目を浴びてきた。以前は「ゴースト」でしかなかった人々が、先ほど述べた企業ブログや、様々な本、スピーチ原稿の文章指導やアドバイスなどのコンサルタントとして人気を集めているのだ。

この「出版エージェント」は日本ではまだ聞き慣れない職業だが、ライティングサービスの発達にともない需要が増している。今までは文章力のない作家など見向きもされなかったのに、ブログの広まりと共に「作家」という職業の在り方が根本的に変わってきたため、今後はもっと重宝されるだろう。個人ブロガーばかりでなく、あちらこちらでブログが書籍化されるのを目の当たりにした経営者たちが、箔を付けるために本を1冊出してみたいと考える傾向にあるからだ。ここにマーケティングのチャンスが転がっている。

彼らは必ずしも文章がうまい人ばかりではない。さらに日本では、いまだに作家が直接出版社とやりとりするのが普通だが、間に立つ文章の専門家がいれば、作品に対する権利を主張するクライアント(著者)と能力を提供するライターとが、はっきりと境界線を引いて仕事ができる。このように原稿に対するアドバイスや手直し、販売戦略の指導などを担当するエージェント役を求める声は、やがて国内でも強くなっていくはずだ。

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